■■こみこみ様■■

遠い空を


家を飛び出して ふと空を見上げてみた


見上げた空は 鉛色で 吹き抜ける風は とても冷たくて

いつの間にか 俯いた顔 閉じた瞳(め)から 涙が溢れて

知らず知らずに 握り締めた かじかんだ拳 雪で白くて

“季節”なんて言葉 どこにもない いつまでも冬のまま


涙を払い 突っ走る どこに行くかは 決めてないけど

暗闇を抜け ライトの中 エレベーターに乗り ひたすら上る

目の前には 扉が1つ 空から逃げて ここに着たのに

“迷い”なんて想い どこかに消えた 外に開く扉


見上げた空は 本物で 吹き抜ける風も どこか心地よく

いつの間にか 涙止まり 見開いた瞳(め)は 光り輝く

初めて見た空 強い太陽 とても蒼くて とても暖かい

“青空“なんて無いと もう言わない いつもここにあるから


星が瞬く 藍色の空 振り仰いで 扉へ向かう

家へと向かう そのために 着た道すべて 逆戻りして

変わらない街 空は鉛 変わらない空気 変わらない風

“冬”なんて言葉 思い出して 心の中で笑う


いつも通りの 白い道 いつもと違う 透明な心

まぶたの裏に 浮かぶ蒼 心を清める 暖かな陽光

作り物じゃない 宝物 失ったはずの 最大の宝物

“シティ“なんて 憧れない 遠くよりも近くに


この世界に いつか空が戻るように 心の奥で いつも祈る

あの青を あの蒼を すべてのモノが 見られるときまで


あの扉の向こうに 草花でいっぱいの 小さな楽園を作ろう

辛いとき 悲しいとき 苦しくて苦しくて一人になりたいとき

嬉しいとき 気持ち良いとき 誰かと一緒に笑いたいとき

“蒼”を見るための 小さくて美しい 大切な楽園を
 


願うことは ただ1つ

覚えていたい 守りたい あの蒼く輝く 透明な


――遠い 遠い空を――    



<作者様コメント>
初めて投稿をさせていただきました。
これは、小説じゃなく詩みたくなっています。
私なりに精一杯書いたんですが…メチャクチャですね(汗
一応、錬が月夜と喧嘩して、青空の見えるフロアを見つけて・・・
その辺のとこを書いてみました。
世界観ぶち壊しですいませんっ!

<作者様サイト>
『なし』

◆とじる◆