■■こみこみ様■■

Fantatic Dream 〜Sweet angel&Little twinkle〜



本当の輝きってなんですか?
正しい強さってなんですか?

――神様――

想うことは、裏切りですか?




真っ白な、世界。自分以外のものが何も無いように静まりかえる、広い空間。

――ここ……夢の中だ…。――

心の中でつぶやいた自分の声が、まわりに反響し、消える。たれてきた金髪を払いのけ、フィアは立ち上がった。
気がついたら、ここにいた。現実と違う…違和感のある、空間。
心にふとうかんだ言葉が、なぜだか響いた。自分の部屋でない所に、知らず移動していた。夢の中であることに、間違いは無い。
靄がかかったような白っぽくかすんだ視界の中、1ヶ所さらに白く光っているように見えるところがある。とりあえず、そこに向かった。
夢の中なのだから、特に危険は無いはずだ。することがなければ、自分も無になってしまいそうで、フィアはただ歩いた。

歩き出して分かったのだが、この空間の床は、弾力のある素材でできている。
材質を調べようにも、この夢の中ではI−ブレインが使えないらしく、ただ進むしかなかった。
転ばないように気をつけていると、少しずつしか進めない。
しかしどうにか、固い床と光のあるところに来られた。
距離感がつかめないのと、ずっと回りが変わらないこともあって、ここまでずいぶん時間がかかったように思える。
もっとも脳内時計も使えないので、実際かかった時間はわからないが。
ともあれ、変わらない靄と不安定な場所から抜け出て、一安心。
軽く息をつき、目の前を見つめる。
光る場所には、1つの扉があった。
大きな扉は、フィアの背の3倍程もあって、その1番上に小さな窓があり、そこから光が見える。
その光が、今いる不思議な空間よりも現実味があって、なぜだかホッとする。
少しためらって、扉のノブを回す。軽く押すと、意外にも扉は簡単に開いた。
覗き込めるだけの隙間を空けて、扉の外をそっと見る。

――誰か…いる?――

また、声が響く。だが、フィアの意識は別の所に向いていた。
扉の先に、俯いた少女の姿があったのだ。
青いリボンで結ばれた金髪が白い光を照り返し、ちょこんと座り込んだ姿は人形のようだ。もっとも顔は見えないが。

――ここは、あの人の空間?どうなってるの?――

後ろの靄の中響く声に、答えを返すことができない。答えを知るには、あの少女に聞くしかない。

――……。

少し躊躇して、扉の外に出る。扉を閉めると、不思議な部屋を出た開放感にため息1つ。
そのまま少女のほうに歩み寄る。
すぐ後ろまで来ても、少女がフィアに気付く様子は無い。またためらってから、声をかけてみる。
「あの〜…。」
心の中の響く声でなく、しっかりした自分の声で、横から顔を出すようにして、小さく一言。
驚かすつもりは無かったのだが、少女はビクッと身じろぎして、恐る恐るこちらを振り向く。
10歳くらいだろうか。引き結ばれた口、綺麗な青い瞳。そして……涙。
「あ、えと…。」
言葉が見つからない。
フィアとしては、ちょっとお話したいなぁ、ぐらいのつもりだったので、泣いていることに戸惑う。
と、少女はキュッと目元をぬぐうと、見あげるようにしてフィアの目を見据える。
「あなた、誰ですか?」
落ち着きのある声に、やっと頭が働くようになる。
「私、フィアといいます。…あなたは?」
「セレスティ・E・クラインです。セラって、呼んでください。」
自己紹介をすませて、フィアはセラの隣に座る。ここの床は、しっかりしている。
セラに見つめられたまま、聞きたいことをまとめる。
慌てて言葉にして、意味を取り違えられないようしっかり考えて、セラのほうに向き直る。
セラの視線を受け止めるように見つめ返し、話しかける。
「セラさん……。」



【続く】



<作者様コメント>
投稿第2弾です。
よくある夢の中、って設定になってまして、
まだ出会ってないフィアとセラで書いてます。
短編にするつもりだったのに、続いちゃいます…。
文章表現の下手な私は、
ぐだぐだと書くことしかできないのです。

これで、錬&ディーとかやりたいのに…(泣
まだ無理みたいです。
読んでくださる方、
分かりにくくてごめんなさい(汗

<作者様サイト>
『なし』

◆とじる◆