きっとあるよ、光があるよ

夢は浸るものじゃなくて叶えるもの

幾千万の夜を越えて、手を繋いで歩き出そう―――――





























長く、暑苦しかった戦いも幕を下ろした。

これから始まるのは変哲のある・・・・・人々の織り成すなんの変哲のない日常の物語。
















「おはよう、フィア」

「おはようございます、錬さん」







―――朝の目覚めは心地よい声と共に。







「とりあえずここら一体を焼け野原にすればいいんじゃね?」

「お兄ちゃんのバカ。焼いたら見つかんないでしょ。永久凍土にしないと」

「とりあえず黙れそこのバイオレンス兄妹」








―――毎日のように繰り広げられるどたばた騒ぎ。









「いいかよく聞きたまえ少年。デブという生き物はな、一食でも抜いたら餓死するのだぞ?」

「……何言ってんのあんた」








―――新しく出会う個性的な面々。









Caro mio ben,credimi almen――――――」

「素敵な唄、ですね」

「ははは、お嬢さん方にそう言って頂けると私も年甲斐無く嬉しくなってしまうよ」








―――今まで目が向けれなかったもの。









「君、は――――――?」

「………………」








―――天上の人のカタチ。









「大丈夫。心だけは、絶対に離さない」

「はい、私も、絶対に離したりしません……」








―――時折胸に落ちる、悲しい明日への糧。









「そーれイッキ! イッキ! イッキ―――ってげぼぁッ!?」

「む、やりすぎたか?」

「……だから鈍角はやめとけとあれほど」








―――それでも繰り広げられるバカ騒ぎ。









「…………もう、行かなくちゃね」

「…………はい」








――――――――――――そして、

























つかの間の団欒。


刹那的な大騒ぎ。


今という一瞬に刻む、それは確かな生の証。


確かにこの瞬間を生きてゆく命の詩。



















…………ああ、歌が聞こえる。



愛しさと、嬉しさと、楽しさが一杯に詰まった、あの素晴らしい日々を唄う歌が聞こえている。

























『夢想唄』


――――――それは、貴方から聞かされた小さな小さな物語――――――