第五章

「不断の襲撃」






















闇に尋ねよ進むべき道を

光に尋ねよ辿るべき道を

消える灯火、惑わす灯篭

瞼を閉じて一歩を踏み出せ

すべては久遠の沈黙の中にある



























「・・・・・・寝たか?」

小声でヘイズが問う。

自分も小声で答える。

「ん、多分ね」

I−ブレインを通じて感じられるのは規則的なバイタルサイン。

どうやらフィアもファンメイもリューネも寝静まったようだ。

時刻は夜の1時ころ。

フィアたちが帰ってきたため途中で終わってしまった話し合いをするために錬とヘイズは眠気を我慢してここ、二階のリビングにいる。

だがお嬢様方のエネルギーは底知れず、11時ころまで全員できゃいきゃい騒いでいた。

「やれやれ・・・・・・疲れたなこりゃ」

嘆息交じりにヘイズ。

「そうだね・・・・・・女の子ってどこからあんなエネルギー出すんだろう?」

単なる雑談にすら感じるエネルギー。

I−ブレインを持つ魔法士にとっても年頃のオンナノコの動向予測は不可能に近い。

「永遠の謎ってやつだ。野郎にゃわからんよ」

ファンメイと一緒にいることで多少は慣れたのか、再び嘆息交じりにヘイズが答える。

「ふーん? そんなものなの?」

「そんなもんじゃねぇのか?」

・・・・・・女性陣に比べていまいち覇気のない男性陣だった。

「ふーん。まぁいいや―――――――――ん?」

そのとき、何か違和感を感じた。

今、I−ブレインに何か反応があったような・・・・・・?

「どうした?」

問うてくるヘイズに人差し指を立て静かにしろ、と示し、錬は自らの意識の網を広げる。

熱源探知、動体探査。

情報の海を伝わって流れてくる情報に全神経を集中する。

辿れ、わずかな乱れを。

「・・・・・・・・・」

そして、

「・・・・・・・・・誰かが、いる・・・・・・?」

風の流れ、熱源。それらすべてを分析した結果、I−ブレインは人型の情報を捕らえている。

「・・・・・・・・・あぁ、今俺も捕らえた。――――”いる”な」

ヘイズが言うならば間違いはないのだろう。

彼の能力は予測演算。

空気分子の流れを予測し、そこに乱れがあるならば何者かの存在があるということになる。

そして、ヘイズのI−ブレインは風を乱しながら動く存在を捕らえていた。

「上に一人、・・・・・・後は、前に二人?」

「空気の流れじゃ何人かまではわからん。・・・・・・いや、これはファンメイらの部屋に向かってるのか・・・・・・?」

「なんだって・・・・・・?」

一瞬で目が据わる。

I−ブレインはその一瞬で戦闘起動へ。

「何者かは知らんが、こんな夜中に来る礼儀じゃねぇな」

ぽきぽき、と指を鳴らしながらヘイズが立ち上がる。

「うん。それじゃぁ僕が上へ行く。前をお願い」

有効な空中戦闘用プログラムを有さないヘイズでは足場の悪い場所での戦いは苦しいものがあるだ う。

自分とて専門ではないが、ヘイズよりはましではある。

「あいよ。だが、気をつけろ。まぁ魔法士じゃねぇみたいだが」

魔法士ならば意識容量、もしくは情報の海との繋がりを探ればすぐ判明する。

それがまったく検知されないということは、この襲撃者たちは魔法士ではない可能性が高い。

サバイバルナイフを腰へ結わえ付け、

「それじゃ」

「あぁ」

たったそれだけを合図して、錬とヘイズは未だ見ぬ何者かの下へと向かった。













    *














「・・・・・・・・・・・・」

空間曲率制御を簡易常駐。

窓を開け放ってそこから屋上へと跳躍する。

遮光性気体に覆われた夜空に星明りなどは無く、世界は真の暗闇に包まれていた。

足音を立てずに着地。

気配を殺して周りの様子を探る。

フィアたちの部屋へ向かうならば今自分が出た窓が最短距離。

故に何者かが上から侵入するというのであれば必ずここを通ることになる。

しかし人影は見当たらない。

ただ世界は黒一色を湛えて静かに夜風に吹かれるのみだ。

通常の人間ならばここで気のせいだった、と決め付けるだろう。

だが、魔法士ともなるとそうもいかない。



(「短期未来予測デーモンラプラス」 常駐)



ニュートン力学による予測演算を開始。

何者かがいるのであれば、カオス理論に支配される空気分子の動きにさらなるノイズが加わる。

そこをラプラスで見極めるのだ。

そして、

・・・・・・・・・いる。

声に出さずに心の中で錬は呟いた。

ラプラスによる予測は確かにこの屋上に偏光迷彩を纏った何者かがいることを弾き出している。

・・・・・・こんな夜中に訪れる礼儀じゃないね。

ぱちん、とサバイバルナイフを後ろ手に構え、錬は声を放った。

「――――こんばんわ」

「!?」

びくり、と闇の一部が震えた。

それに少しの優越を感じながら続ける。

「こんな夜更けに何の御用でしょうか?」

「・・・・・・・・・」

未だ偏光迷彩を纏ったままの何者かは無言を保っている。

錬は気づかれぬよう、床にゴーストを送り込んだ。

「あぁ、それと」

一息








「――――――――他人と話をするときは、姿を見せるのが礼儀だよ」









「仮想精神体制御」チューリング 常駐 『幻手』げんしゅ 発動)



言葉と同時に屋根の鉄の材質をゴーストハック。

それを幾本の腕と変化させ一挙動で偏光迷彩を剥ぎ取った。

「・・・・・・!」

マントが破れ、現れたのは黒尽くめの服装に身を包んだ中肉中背の、おそらくは男性。

その人物は自分のマントを破りとった数本の『腕』を見やり、

「・・・・・・・・・魔法士か。なるほど、アレが逃げ込むわけだ」

そう独語した。

そしてそのまま大きく横へと跳躍する。

その動きは修練されたそれ。この男は間違いなく何かの訓練を受けている。

シティか何かの、エージェント・・・・・・?

内心で勘ぐるが今のままではまだデータ不足。

故に先ずは正体と目的を探ろう。

錬は再度問うた。

「こんな夜に、何の用事?」

I−ブレインは既に臨戦態勢。

相手のどんな動きも見逃さんとばかりに回転速度を上げてゆく。

だが、目の前の人物が答えたのは錬の予想とはまったく異なるものであった。

「――――しらばっくれるな」

「!?」

静かな恫喝。

深く響くバスの声が夜空へと散り敷いた。

なにを・・・・・・?

「見たところ、フリーの『なんでも屋』か」

こちらを値踏みするような目つきで男は言う。

「・・・・・・・・・」

その目つきに、錬はひどく嫌悪感を感じた。

・・・・・・いつか、いつだったか自分にもこのような目を向けられた覚えがあるような気がする。

この、命を命とも思わない、無感動な殺しを容認する目つきを――――――――

「そんなヤツら如きに”アレ”は勿体無さすぎるな」

「だから、何を言って――――」

理解できない。

この男は一体何を言っているのだろう?

訝しげに眉を顰め、さらなる問いを出そうとしたが、その必要は無かった。







「――――――――身の程を痴れ。下衆が」







「っ!?」

空気が一変する。

一気に温度が下がったようなこの感覚。

張り詰めたこの夜気は最早肌を突き通す。

大気に満ちる、濃密なまでの”殺意”

数多の戦を潜り抜けた者のみが放つことができる純然たる狂気。

「ラプラス」「チューリング」を同時に展開している今では急な身体能力加速は体に負担をかける。

ナノセコンドにも満たぬ刹那でそう判断した錬は咄嗟に横っ飛びした。

脇腹の横の空間を何かが唸りを上げて通り過ぎていく。

それを残像のみ視認し、錬は目の前の男を倒すべき敵を認知。

続く刹那で反撃の狼煙が上がる。



「身体能力制御」ラグランジュ 常駐 知覚速度を20倍 運動速度を10倍で定義)



I−ブレインが目まぐるしく回転し、物理係数を書き換えてゆく。

――――一歩。

10倍に加速された運動能力はたやすく床を噛み、錬の身を前へと飛ばす。

――――一歩。

ここで相手が次のナイフを構え終わる。

だが遅い。残るは7m弱。その動きではこの間合いを引き伸ばせない――――!

また一歩、ぐん、という加速が体全体を伝わってゆく。

後一歩で射程距離。

男はまだこちらにナイフの先を向けただけ。

いける、と脳が判断を下す。

しかしそのとき、ナイフの刃先だけが弾けるようにこちらへ射出された。

――――発射式か!

ばねで飛ばすとはいえ、侮ってはならない。

その速度は秒速10mを優に超える。

2mまで迫っていたこの距離ではこちらが10倍の加速をしていようと致命になり得る――――

「――――っ!」

だがこの程度を防げぬようではかつて最強騎士と互角の戦いを繰り広げてはいない。

こちらもナイフを一閃、刃の弾丸を弾き飛ばす。

弾かれたそれは空で大きく弧を描き、屋根へと突き刺さった。

「・・・・・・・・・」

大きく後ろへ跳躍し、一旦距離をとる。

・・・・・・なかなかの使い手だ。

先ずは発動前に一撃、そしてその後の奇襲、と身体能力加速をした魔法士との戦い方を理解している 動き。

と、その時、男がおかしな動きを行った。

「・・・・・・・・・なんだ?」

手にあるのは何本持っているのか、新しいナイフ。

男はそれを錬の目から見て10分の1のスピードでゆっくりと、地面へと突き刺した。

途端、











(システムエラー 演算処理に致命的な妨害を検出  容量不足 「身体能力制御」 強制終了)











I−ブレインに、割れんばかりの衝撃。

「っ、ぁ――――!?」

がくん、と体が揺れる。

なに、が――――!?

不正アクセスを検出。演算速度、8,2%に低下。危険、危険、危険危険危険――――!

「ノイ・・・・・・ズ、メイカぁ・・・・・・っ!?」

何故、どうして。

そんなものがどこにあるというのだ!?

だが紛れも無くこの効果はノイズメイカー。それも情報の海への接続を遮断する最大級レベルの効果だ。

「く・・・・・・っぁ!」

強引にエラーコマンドを強制終了。そのままI−ブレインの活動を停止させる。






――――そのときには、いつの間にか男がナイフを構えてこちらの目の前まで走りこんできていた。






「っ!」

その不意打ちを避けれたのは偏に強靭な精神力を持つ錬だからこそできたものだろう。

脳の痛みを歯を食いしばって押し殺し、転がるようにその一撃を回避した。

「っ・・・・、今のは・・・・・・」

「ふん、I−ブレインの使えぬ魔法士など虫けらにも値せんな」

「!」

声が聞こえたと同時に跳躍。

後ろでナイフが風を切り裂く音が響き、錬の黒髪が二、三本夜の大気に舞った。

だが、これで間合いは開いた。

体勢を整え、改めて敵を見やる。

「ガキにしてはよく動けている方か。まぁいい、死ね」

男の疾走が開始される。

最早勝利を確信して疑わないその眼光。

なるほど、確かにこちらは今はI−ブレインを使用できない。

加えてこの体格差、力の優劣は明らかだろう。

I−ブレインという最大の武器を封じられた錬に最早勝つ術などはない。










――――そう思っているのであれば、甘い。










男が繰り出した必殺の一撃。

戦闘訓練を受けた者のみが放つことができる、殺意を乗せた常人では回避はおろか切っ先さえ見ることはできぬ攻撃は、

「――――甘い」

「なに!?」

ぎぃん! と、鋼と鋼が噛み合う音。

男の突き出した一閃は閃いた錬の右手のナイフによって受け止められていた。

男の顔が驚愕に染まる。

そしてカウンター。

そのときには既に錬の体は男の懐にあった。

深く足を踏み込み、打ち出すは肘。

人体の中で有数の硬さを持つそれに体を回す勢いをつけ、

「――――しッ!!」

打ち抜いた。

「ご、がぁっ!?」

男の体がくの字に折れる。

だがしかしそこは玄人。少しでも衝撃を減らそうと体を引いていたせいか骨まではやられていない。

まぁ、それだけの話なのだが。

「ふっ・・・・・・・・!」

衝撃を減らされた。

だからなんだ・・・・・・

こちらのターンはまだ終わっていない。

踏み込む力を回転モーメントに変換。

下段から跳ね上がるように打ち出されるは昇竜の如き回し蹴り。

爪先が正確に男の首筋に叩き込まれた。

「ぉ・・・・・・ごぁッ!」

最早声にもならず男が苦悶の響きをあげる。

そして、今の一撃を放ったことで錬は丁度男の目の前に体を構えることになる。

左足を下ろした反動で既に右手は後方へ引き絞られている状態だ。

狙うは正中線。刈り取るは戦意。そして穿つは渾身の一撃――――――!

「はぁぁぁぁっ!!」

乾坤一擲。

小柄な体躯な錬ではあるがその一撃はまさに無双の威を果たす。

錬の拳は男の鳩尾を打ち抜き、その体を吹っ飛ばした。

「ぉ・・・・・、ぁ・・・・・・!」

だん、と男が倒れ伏した。

「甘く見ないでくれるかな。これでも一応僕、生身でも結構強いんだよ?」

そう、魔法士が最強の単体戦闘者として名を馳せる所以はI−ブレインの存在だけではない。

無論戦闘において一番重要になるのは個々の能力ではあるが、それ以前に”自分の体をどう動かすか”ということがある。

無意識の外で自分の動きを制御すること、それが武術の奥義であり、また基本でもあるのだ。

故に、I−ブレインの使用を禁じたくらいでは魔法士の動きは止めることかなわない。

それがこの男の敗因だ。

「さて、と。それじゃぁ何もかも吐いてもらうからね」

男に近寄りながら錬は宣言する。

未だ謎のノイズメイカー現象は収まっていないが、最早決着はついた。

サバイバルナイフも腰に収め、錬はゆっくりと近寄ってゆく。

と、

「・・・・・・・・・まさかとは思う、が」

苦しげな息の下で男が呻く。

しかしその目は敗者とは思えぬ輝きに満ちていた。

「・・・・・・?」

その不審ぶりに思わず錬は足を止めてしまった。

「なるほど、な。・・・・・・本物の無知だったか」

笑わせる、と続け、男はこちらを見て邪悪な笑みを浮かべた。

「何を・・・・・・?」

「いや・・・・・・いいだろう、ここは引いてやろう」

くくく、とまるでおかしくてたまらないように男は笑う。

そしてその時、錬は遠くから何かの音が聞こえてきているのに気がついた。

遠雷のように響く重低音。

これは、

「爆音・・・・・・?」

一瞬、それに気をとられて錬はうっかり男から目をはずしてしまった。

「それではな、何も知らぬ哀れなる魔法士」

「!?」

気づいたときには遅かった。

いつの間にか、男の腕にはワイヤーのようなものが巻きついていた。

「! ま――――」

――――て、と続けることはできなかった。

ぐん、と男の体が持ち上がり、空へと浮かび上がる。

まさか、飛空艦か何かを呼んだのか!

あわててそのワイヤーを焼き切ろうと『炎神』を発動させようとし、



(エラー 演算処理に致命的な問題を抱えています。)



「―――――――っ」

I−ブレインのエラーに阻まれた。

一瞬走った頭痛をこらえ、ナイフを抜き放った時には既に遅し、男の体は最早夜空の点にしか見えぬほど小さくなり、遠くへ消えていってしまっていた。















        *












「・・・・・・・・・どうだ?」

男を取り逃がした錬が痛む頭を堪えて屋上から降りようとしたとき、ヘイズが上がってきた。

どうやらあちらも取り逃がしたであれ、捕まえたであれ、カタはついたようだ。

「そっちこそ」

はぁ、とため息をついて答える。

ヘイズはどことなく疲れた顔をして言った。

「黒尽くめの妙な野郎が二人いたな。偏光迷彩ごしだったが一発ぶちこんだら逃げてったが」

・・・・・・そっちは二人、か。

「なにか言ってなかった?」

「あぁ、”ここにいたか”とかなんとか言ってたな。――――で、そっちはどうだったよ」

腕を組んでヘイズが問う。

「こっちは一人。いきなり襲ってきたから返り討ちにしたけど結局は逃げられたよ」

「そうか」

ほぅ、と二人してため息をつく。

どちらからともなく空を見上げ、

「目的は・・・・・・まぁ、限られるな」

視線を合わせず、ヘイズ。

同じく錬も空を見上げながら答える。

「うん、・・・・・・フィアにしろ、ファンメイにしろ、ね」

「・・・・・・ことによるとオレかもしれねぇな」

「でも、”返してもらう”って言ってたよ? ヘイズさん狙いではないと思う」

シティ・モスクワのお尋ね者であるヘイズを狙った襲撃ならば、”返してもらう”という表現は不適切だ。

「ってことはやっぱ」

言い辛そうに詰まるヘイズ。だがそれは認めなければならない事実だ。

「・・・・・・フィアか、もしくはファンメイ狙いだろうね」

双方共に苦渋の表情で話は続く。

「となると・・・・・・シティ・ベルリンか、それともモスクワ。あるいは、ニューデリーってことになるが・・・・・・」

「シティの刺客、の割には少なかったね」

「あぁ。本気で取り返しに来たんならもっと大軍で来ると思うんだが」

フィアには今どのシティもが草の根を分けても捜し求めているマザーコアの代替品であり、

ファンメイは情報制御理論の最高権威、アルフレッド・ウィッテンの幻の研究だ。

科学者ならばどんな犠牲を払ってでも手に入れたい存在だろう。

それを捕らえるにしては、いささか今の襲撃はおかしい。

「・・・・・・わかんないことだらけだね」

「とりあえず、警戒だけはしといた方がいいな」

「そうだね。・・・・・・それじゃぁ、戻ろうか?」

あぁ、と答え、ヘイズが踵を返す。

その後ろに二、三歩遅れて続きながら、錬はもうひとつの可能性を考えていた。

フィアとファンメイを狙ったにしては明らかにおかしい先ほどの襲撃。

――――だがしかし、もしもさっきのがフィアとファンメイを狙ったものではなかったとしたら?

だとすると、彼らの目当てとは・・・・・・・・・・・・・・・

消去法で考えると、残るはたった一人。

「・・・・・・・・・まさか、ね」

考えすぎだろう。流石にこれは想像が飛躍しすぎている。

けれども、錬の頭にはその考えが染み付いて離れなかった。

・・・・・・・・・なにかが、はじまっているのか?

遠く、黒一色に染まる夜空を見上げる。

暗雲立ち込める闇色の夜空は見上げるものを吸い込むように深く広がっていた。

まるでそれはこれからの不安を暗示しているようで、錬は目を逸らし、ヘイズの後に続いて屋内へと帰っていった。













――――――――空は黒く、希望を飲み込むようにどこまでも深い。





























 おまけコーナー・暗殺編 

〜七夜錬〜

男 「ガキにしてはよく動けている方か。まぁいい、死ね」<ナイフで一撃

錬 「――――甘い」<受け止める

男 「なに!?」<硬直

錬 「極死――――――――――――」<ナイフを振りかぶる

男 「!?!?!?」<びっくり

錬 「――――――――――――七夜!!」<投擲&ダッシュ

男 「ナイフ繋がり!?」




ATOGAKI(気分だけエセ英語)

「さぁ、ついにバトルが入ってしまいました。これにて平和な日々も終焉なのか?」

フィア 「私たちに落ち着ける日は来るんですか・・・・・・?」

「諦めなさい、これも運命だ。というよりこの物語がウィズダムの出てくる話の続き、って時点で諦めとけぃ」

ヘイズ 「・・・・・・ぼろくそな言われようだな。どこまですごかったんだソイツ?」

「まぁそれはまたいつか。あ、後ね、ちゃんと平穏な物語も考えてあるんだよ?」

ファンメイ 「ほんと?」

「ほんとほんと。これでもかってくらいにほのぼの平和な日常を描いた物語、ってのも書きたいなぁってね」

ヘイズ 「珍しくまともなこと言ったな・・・・・・」

「まだ先のことだけどね。ってか先ず『あの空の向こう側へ』の続編であるこの『deus ex machina』」だけど、まだもう一つ続きがあったりする」

フィア 「え、それじゃぁまだまだじゃないですか」

「まだタイトルも何も全く決まってないがねー。でももともと『あの空の向こう側へ』の途中から三部作にしよう、って決めてたんだな」

ファンメイ 「ってことはやっぱり」

「まだまだ荒む話は続くってことさー」

ヘイズ 「・・・・・・・・・マジかよ」

錬 「勘弁してくれないもんかなぁ・・・・・・」

ファンメイ 「つられて最近おまけコーナーまで荒んで――――っていうよりどんどん暴走してきてない?」

フィア 「なんか前と同じようなパターンですけど、そうですね・・・・・・なんですかこの”暗殺編”って」

錬 「僕こんなキャラじゃないよっ!?」

「いやいや? 意外にはまってるじゃないかあっはっは」

錬 「・・・・・・・・・むか。怒るよもう」

「君が怒ってもあんまり迫力はないけど――――って錬君、そ、そのナイフは何かな?(汗)」

錬 「ん? 役にハマってるっていうならなりきってもいいんだよね?」

「・・・・・・・・・え」

錬 「あぁ、ってことはこの”衝動”も表現していいってことだね」

「ちょ、ちょっと待――――!」

七夜錬 「―――――――斬刑に処す







(作者を解体しています。しばらくお待ちください)







錬 「――――――その六銭、無用と思え。・・・・・・っと、さて、話もどそうか?」

ヘイズ 「・・・・・・お前って意外に容赦ねぇよな」

錬 「そう? まぁいいや。ええと、次章は第六章『食という名の暴力』――――ってなにこのタイトル」

フィア 「暴力? ・・・・・・どういう意味でしょうか」

ヘイズ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじかよ」

錬 「あれ、なにか知ってるの?」

ヘイズ 「あ、いや! 俺は何も知らん! 知らんぞ!」

フィア&錬 「・・・・・・・・・?」

ヘイズ 「ま、まぁそれでは、次章をお楽しみ・・・・・・にしてほしかねぇがなぁ・・・・・・」

ファンメイ 「ん? 何か言ったの?」

ヘイズ 「滅相もございません」

ファンメイ 「??? ま、いいや。それじゃぁねー!」

フィア 「それでは、次章でお会いしましょう」















SPECIAL THANKS!
天海連理さん(校正部隊)
有馬さん(〃)
闇鳴羚炬さん(〃)