Life goes on 総括後書き






















1.はじめに



何よりも初めに、これまで読んでくださった皆様方に心よりの御礼を。
常識や作法を星の彼方まで消し飛ばした拙作に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
「あの空の向こう側へ」「deus ex machina」、そしてこの「Life goes on」と続いてきた三部作も、これにて完結と相成ります。
三年間という長期間に渡ってお目汚しの場をいただいた管理人咲様、そして新管理人画龍さん、大変お世話になりました。
暴走に次ぐ暴走。滅茶苦茶を越える無茶苦茶。
さてはて、俺は皆さんの期待に応えることが出来たものですやら――――――













2.これまで



―――燃えるなら灰も残さずやれ。

俺の信条の一つでありますが、今は流石にやりすぎたかなぁという気持ちでいっぱいです。
改めて読み返してみても「なんだこれ」という感想が第一に浮かんでくるのは作者としてどうなのか。
「ナノセコンド単位で進行する戦闘で技名を叫ぶ」とかマジどないやねん。
どう読み返しても痛みしか浮かんでこないような物語でしたが―――しかしまぁ、これが書きたかったことなのでしょうがない。
もう後書きや何やらで何度も言ってることなのでお分かりかと思いますが、俺の書きたかったのはたった一つ。



WBキャラ達がマザーコアやシティなどの葛藤に囚われず、肩を並べて戦えたらどんなに清清しいかなぁ、と。



それだけを見てみたかったが故の執筆でした。
原作を読んで思ったのは”もどかしい”という気持ち。
「ああ、こいつ等が何ですれ違ったりしてんだろうなぁ」と、それが始まり。
図らずとも、原作六巻のイルの独白は俺の気持ちの代弁でした。



 ふと、具にも付かないことを考える。
 自分の戦いや少女の戦いが、シティの運命だとか人類の未来だとかそんな物とは何の関係も無くて。
 何もかもかもがただの道楽だったら、どんなに面白いだろうか、と―――
                                               <六巻中 204頁より>



LGOは、つまるところそれを突き詰めただけの物語と言ってもいいでしょう。
ある日突然世界を滅ぼしかねない災厄が襲ってきて、それに皆で立ち向かう。
おいおい今どきB級アクションだってそんな厨設定なんぞしねぇぜお前考え直した方がいいんじゃねぇか? と、二、三度己に問うたこともあります。
つまるところ、全ては俺の我侭から来るもの。
設定もストーリーも全て後付けの無茶苦茶な物語がLGOだったのでした。

けども、いかがでした?

俺は常日頃からWB世界の子供たちはどーも心に燃える物が無くて困ると思っています。
そりゃ当然あのご時勢あの世界状況じゃしょうがないというかむしろ当然であるのでしょうが、それでもあっさりすぎると思います。
戦う理由なんてもっと単純でいいじゃないか。
ムカツクから殴り飛ばしたっていいじゃないか、と。
この辺りの俺の妄想は最後の守護者との決戦の辺で噴出しています。主にブチきれディーくんとかでw
幼稚で世間知らず、周りを省みれないのが子供の弱さなら、がむしゃらに全力になれることが子供の強さ。
そこを表現できるよう、苦労した覚えがあります。

―――そして勿論、周りを省みないのであるならば、しでかしたことに気づくのは最後。

『Id』は倒したものの、シティ・シンガポールは崩壊し、モスクワ・マサチューセッツは半壊。
客観的に見ればシティ・ロンドンだけを守ったに過ぎません。
それもまたヒーローの宿命の一つ。ウルトラマンの下で踏み潰されている人がいないとも限らないという、それだけの矛盾でありましょう。
LGOはどこまでも我侭な、傲慢な独善が支配する物語です。
いやはや、どこまでもWBっぽくない話ですねぇこりゃ。
けどもレクイエム節はどこまでいってもこういう物語。



読んでくださった皆様が、心に何か”熱”を感じることが出来たなら、
意味不明の理由でテンションが上がることが出来たのなら、「俺の勝ち」です。



黄昏を迎えた寂しい世界でも何か燃え立つような物語が書けたらいいなぁと、それが目標の一つでしたので。












3、これから



「あの空の向こう側へ」
「deus ex machina」
「Life goes on」
と続いてきた「生命讃歌」の三部作も今作で完結になりました。
本当の予定ならここで俺は同盟から撤退してもいいかなーとか思っていたのですが、ね。
同盟にきて三年。
書いた短編は50へ届く勢い(そりゃあんだけ節操なしにSSつけてりゃねぇ)
大学もあるしそろそろ潮時かなーと考えていたのですヨ。

―――うん、もちろん過去形なんだ。すまない。

次回作は既に構想スタートしております。
今までLGOみたいなものばかり書いてきたせいで誰も信じないと思いますが、ホントは俺はほのぼのストーリーが好きなんだ!
と、言うわけでやりますとも殺伐さが全然無いだらだら物語。

舞台はLGOより直後。
世界兄妹という核爆弾級のネタキャラを迎えた、錬の町での心震える(おい)ストーリーです。
ちょびっとだけ登場したミーナ・武侠艦隊も勿論参戦の予定。

短編連作のカタチでお送りするレクイエムの新作、『夢想唄』
5月より連載開始―――の、予定です。お楽しみに!














0、そして

ふぅ、いつものように色々と馬鹿なことも書こうと思ったのですが、今回だけは自重しておきます。
3年間という長期間に渡り、皆様のお目汚しを賜りまして、大変有難うございました。
LGOに隠された『グノーシス』の謎は未だ全て解決してはおりません。


「DEM」でリューネが持っていた文書との食い違い。

なぜミーナは『Id』を後にしたのか。

空白の”第二世代”とは一体なんなのか。(これは未発表原稿「夢の彼方」にて明らかになっています)

ウィズダムやリューネの誕生時期の時間的矛盾。


などなど、まだまだ色々と謎が残されています。
ほんの一端は用語集に載っていますので、そっちを参照のこと。




―――いずれにせよ、レクイエムという人間が妄想した夢はここでひとまず終わりです。




暴走も、無茶苦茶な設定も、全てはここに置いていく。
「夢想唄」からは大人しくなるでしょう。
夢を追い続け、突き抜けたのなら次に迎えるは厳しい現実。
けれどもそれでも生きていくLife goes on人の様子を、描いていきたいと思います。




夢が終われば朝が来る。
朝が来たら、新しい一日の始まり。
己に胸を張れる様、しっかりと生きて行きましょう。











――――――ありがとうございました。









2008 4/2 レクイエム