■■先行者様■■

ある家での不思議な出来事〜THE CONBINED〜

【注意!!】ちょっとエッチです★ウィザブレ清純説を唱えられてる方は、閲覧しないほうがいいかもしれません[作者談]



この話は、常に雪の降る、西暦2199年の日本に存在する『天樹家』で起きたことだ。



その日は、いつもより吹雪の勢いが強く町を覆うシールドに時折ノイズのようなものが走ったため、天樹家の双子の一人、月夜が、調整室の点検に出かけていた。



そして、それに興味を持ったフィアが、仲良くついていったのだった。

まさか、これから自分たちに大いなる災いが降りかかろうとしているなど少しも気付くこともなく・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・
「月夜さ〜ん。どうですか〜?」
フィアが、首を直角に曲げて、5メートル上の月夜に話しかけた。
「大丈夫大丈夫!やっぱり私って天才ね!こんなチャチなポンコツなんて、朝飯前よ!」
この機械って、たしかこの町を守るためにわざわざ前に居た町から町の男の人総出で運んできた、とっても大切なものなんじゃなかったかな?
あ、でも、月夜さんがああ言ってるんだから、きっとそうなんだろうな、と、フィアはあっはっはと大笑いする悪い大人の模範を見て、悪い影響をいっぱいに受けていた。
「フィアちゃ〜ん!」
遠くから、よく透る女性の声が聞こえた。
「? あ、お母さん!」
弥生が、走り慣れない身体で、必死に近づいてくる。フィアが、あわてて天使の翼を振るって弥生をこちらへ運んだ。
「ど、どうしたのよ!?弥生!」
尋常でない弥生の様子に驚き、月夜が調整室の上から身を乗り出して聞いた。
「だ、だめですよ、お母さん!走ったりしたら身体が・・・」
しばらく荒い息をついていた弥生が、もう大丈夫、といってゆっくりと立ち上がる。
深呼吸をして息を落ち着かせてから、フィアの肩に両手を置いた。
「?ど、どうしたんです?」
弥生は、心配そうにフィアの顔を覗き込みながら、よく聞いて、と語りかけた。
「ねえ?フィアちゃん・・・・・お母さん、まだ早いと思うなぁ」
「え?」
「それに、錬ちゃんはそういうのにはまだ免疫がないと思うし・・・・・」
「え?え?なんの話をしているんですか?」
フィアが、まったくわからないといった様子で弥生に聞いた。月夜はといえば、梯子を持ってくるのが億劫だったので、フィアに上に運んでもらった為に、降りられないし話には入れないしというなんとも寂しい脇役キャラを演じる羽目になっていた。
「・・・・・フィアちゃん、もしかして、わざとやったんじゃなかったの?」
「えっと・・・・。ごめんなさい、わかんないです・・・・・」
弥生が、安心していいのか心配していいのかわからないといった複雑な表情になる。
『天使』の力、つまりが同調能力のことだが、それを使えばすぐに弥生の考えは読めるが、あまり『身内』にそういうことはしたくなかった。
「あのね、フィアちゃん・・・・・なんか変だなぁ、とか、スカートの中がスースーするなぁ、とか思わない?」
「えっと、特にはなにも感じませんけど・・・・?」
「・・・・・実はね、フィアちゃん」

「あれ?弥生さんも来てたんだ?どうしたの?なにかあったの?・・・・・そして月姉はなにしてるの?」

錬が、『アインシュタイン』を使って、空から降りてきた。硬そうなブーツが、雪に浅く食い込む。バスケットを持っているところからすると、どうやら差し入れを持ってきてくれたようだ。
「あっ錬、ちょうどよかった!早く降ろしてよ!」
弥生が、さらに身を乗り出して叫んだ。


その瞬間、肌を刺すような冷たく強い風が、4人のいる一帯を吹き荒れた。


「フィアちゃん、パンツはき忘れてる・・・」

弥生の言葉を遮るように突風が吹き、フィアのフリルのついたかわいらしいデザインのロングスカートが、大切なケープと共に吹き上げる風に大きく舞った。
「っっっっっ!?!?!?」
ついそこ(・・)に眼をやってしまった錬が、メデューサに睨まれたように硬直した。半瞬後、鼻穴から噴水の如く血を噴出しながら、後ろへと倒れた。
フィアの肩が、小刻みに震える。小さく開いた唇から、呟くようなか細い声が聞こえた。
「・・・・・・・ぃ、」
「・・・い?」
フィアの顔が一気に紅潮していく。そして、
「いやあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
叫びながら片手で涙を拭いて、もう片方の手でスカートをしっかりと押さえて、錬の倒れている方と逆方向に向かって走り出した。錬はといえば、とんでもない刺激をストレートに直撃してしまい、鼻血で雪を溶かしながらノックダウンしていた。

   カーンカーンカーン(ゴングを打ち鳴らす音)

「あっ!?フィアちゃん待って!せめてパンツをはいて・・・・・って、月夜!!??」
「うわわわわわっ!!」
「え?」
弥生の声と上から聞こえる月夜の悲鳴に、フィアはとっさに頭上へと顔を向けて______



ごわん


とてもいい音がした。
『ごいん』ではない。
作者の入力ミスでもない(←これ重要)。
少なくとも、弥生には、そう聞こえたのだ。

弥生は、自分の眼を疑った。 なぜなら、空から月夜が頭から真っ逆さまに落ちてきて、フィアの頭に直撃したように見えたからだ。ついでにいうなら、月夜の首は確実に90°は曲がっていた。
弥生はしばらく、持って来たフィアの水色ストライプのパンツを片手に呆然としていたが自失から立ち直るとすぐに倒れてピクリとも動かない二人のもとへと駆け寄った。その間に錬の流した鼻血が世界記録を遥かに超えていたのはまた別の話だ。
「つ、月夜!フィアちゃん!大丈夫!?」
二人の脈と息をすばやく調べる。よかった、二人とも死んではいない。偶然、フィアの居た場所の雪が深く柔らかく積もっていたおかげで、フィアが沈む形となって衝撃を吸収して重症を防いだらしい。おそらく、脳震盪を起こしているだけだろう。
奇跡に近いことだ。この娘はよほど運がいいのだろう。月夜の首のことは、見なかったことにしよう。そうしよう。
「さて・・・・・だったら問題は、幸せ者のこの子かしら」
錬の頭の周りからは、錬の鼻血によって雪が溶けてできた湯気が立っていた。その湯気の奥には、このまま死んでも何の杭もないという心情を顔いっぱいに表現したような、にへら〜とした表情があった。
「連ちゃん!錬ちゃん起きて!」
雪を手で掬って、頬にひやりと当てる。出血を起こしている人間をむやみに揺らすことは得策ではない。まずは、頭に血が入るのを待つのが上策だ。
「う〜ん・・・・・あ、あれ?弥生さん?僕は、いったいなにをして・・・・・  っ!!」
「思いだした?錬ちゃんは、フィアちゃんの、女の子の大事な大事な」
「あああああっ!!!何も聞こえない!!何も思い出せない!!僕は無実だ!!僕のせいじゃない!!あれは風が・・・風が悪いのであって!!」
「思い出したみたいね?よかった。それに、これ以上このネタ続けたら、管理人さんに叱られちゃうわ」
「ねた?かんりにん?いったい何の話をしてるの!?弥生さん!それって凄いギリギリの発言の気がするんだけど!!」
「大人の世界の話よ。錬ちゃんにはまだ早いわ。それより、ほら、鼻血拭かないと」
そういって、弥生が錬に布を差し出した。
錬は、水色でストライプの模様をした布(・・・・・・・・・・・・・・・・)を受け取って、シルクの肌触りはなかなか心地よいな、それになんだかいい匂いもするな、と感心しながら口元の血を(ぬぐ)おうとして、弥生が口を押さえて驚愕の表情でこっちを見ているのを見て、手元の布を逆三角形(・・・・)に広げて、再び鼻血の2連撃目を空へと放った。            
錬は、後方へ倒れ、スローモーションのようにゆっくりと飛ぶ鮮血を見ながら、思った。



(みんな、キャラ変わりすぎだって・・・・・・・・・・)















って、終わりそうな雰囲気ですが、まだ終わりません。このまま終わったらただのエッチなウィザブレで終わってしまいますから(笑)[作者談]













「きゃあっ!!れ、錬ちゃん!?ど、どうしようどうしよう!!??」
ここは町の中心からかなり遠ざかった、言わば町はずれだ。錬やフィアや月夜ならともかく、自分では、走っても三人の3倍は遅いだろう。もちろん、三人の内の誰として弥生が運ぶことのできる者はいない。脳震盪の二人もこんな所に放置すれば風邪を引いてしまうかもしれないし、錬は治療が必須だということは周囲の血にまみれた雪を見れば例え素人でも一目瞭然だった。
弥生が途方にくれていた、その時。
「う・・・・・イタタ・・・・・」
頭のてっぺんを両手で押さえながら、月夜が上半身をゆっくりと起こした。
「イッタ〜・・・・ホントに痛いわ・・・・」
片手で頭のてっぺんを押さえながら、フィアが頭を何度か振って立ち上がった。
「よかったぁ。二人とも、なんともないみたいね」
そう言った弥生に、月夜が首を押さえて涙目で答える。
「はい。ちょっと・・・いえ、かなり首が痛いですけど、他は大丈夫みたいです。T−ブレインも何も言いませんし・・・・・」
「え?あ、そうなの?」

月夜ってこんな丁寧な口調だったっけ?ていうか、T−ブレイン?

そう考える暇もなく、今度はフィアが答える。
「なんともあるわよ!何メートル上から落ちたと思ってるの!?もう、本気で死ぬかと思ったわよ!!首が直角に曲がったかとも思ったわ!!」




「・・・・・・・・あれ?」


「なんです?(月夜)」
「なに?(フィア)」
おかしい。なにがおかしいと言ったら何もかもがおかしい。たしかにいつもと同じ反応に返答。しかし・・・・・・・


「・・・・フィアちゃん?」
と声をかければ、
「はい?どうしました?お母さん」
と、月夜が首を傾げて返事をし、
「・・・・月夜?」
と、声をかければ、
「なによ?そんなにじろじろ見て」
と、フィアが腰に手を当てて尋ね返した。





・・・・ふらっ




「きゃあ!お母さん!?(月夜)」
「ちょ、ちょっと、どうしたの!?弥生!(フィア)」









血相を変えて駆けてくる二人をスローモーションのように視界に捕らえながら、弥生は思った。




(こんなベタな小説、咲様に受け付けてもらえないわよ・・・・・・・)










<TO BE CONTINUED>



<作者様コメント>
あ〜・・・・やってしまった・・・(爆)
すんごいことになっちゃいましたね(笑)
実は、『もう一人の最高傑作Z』を描いてる時に、もう半分以上出来て
たりしました。描いてて楽しかったですけど、三枝先生が見られたら、
きっと憤慨されるでしょうね(笑い事では済まされない?)
大道な『人格入れ替わり』ネタを、こんな取るに足らない小説にしちゃ
いましたが、どうかお許しください・・・。
これからどんどん上達するぞーーーっ!!

あ、それと、○○○はこんなキャラじゃないぞ!!という意見のある方
は、同盟の掲示板にバンバン描いてくださいね。お叱りお待ちして
おります!!(変態?)



<作者様サイト>
『NOTHING』

◆とじる◆